「『最高裁判所の知的財産権法廷の若干の問題に関する規定』の改正に関する決定」が2023年10月16日に最高裁判所審判委員会第1901回会議で採択され、2023年11月1日より施行された。具体的な改正内容は以下のとおりである。
一、第二条を下記のように改正する。
知的財産権法廷は下記の上訴案件を審理する。
(一)専利、植物新品種、集積回路配置図設計の権利付与・確認に係る行政上訴案件
(二)特許、植物新品種、集積回路配置図設計の権利帰属、権利侵害に係る民事・行政上訴案件
(三)重大で複雑な実用新案、技術秘密、コンピューターソフトウェアの権利帰属、権利侵害に係る民事・行政上訴案件
(四)独占に係る民事・行政上訴案件
知的財産権法廷は下記のその他の案件を審理する。
(一)前項に定める種類の全国規模の重大で複雑な民事・行政一審案件
(二)前項に定める民事・行政一審案件で法的効力が生じた判決・裁定・和解調書に対し、法に基づいて再審請求、検察側の控訴、再審などの裁判監督プロセスが適用される案件
(三)前項に定める民事・行政一審案件の管轄権紛争、行為保全裁定に対する不服審査請求、罰金・拘置決定に対する不服審査請求、審理期間の延長請求などの案件
(四)最高裁判所が知的財産権法廷により審理されるべきと判断したその他の案件
二、第3条を「この規定第二条に定める案件を審理する下級裁判所は、規定に従って知的財産権法廷に紙・電子ファイルを適時に移送しなければならない」に改正する。
三、第四条として「知的財産権法廷は、当事者に対して案件に係る知的財産権の帰属、権利侵害、権利付与・確認などに係る関連案件情報の開示を求めることができる。当事者が真実の開示を拒否する場合、信義誠実の原則を遵守しているかどうか、権利の濫用にあたるかどうか等を判断する要素とすることができる。」ことを追加する。
四、第八条の「知的財産法廷が審理する案件の受理情報、合議体の構成、裁判プロセス、判決文書などは、法に従って公開される。」を第七条に変更する。
五、第十一条を第十条に変更し、その中の「この規定の第二条第一、二、三でいう一審案件」を「この規定の第二条第一項に定める種類の民事・行政一審案件」に改正する。
六、第四条、第五条、第十二条、第十三条、第十四条を削除する。
七、その他の条文も適宜番号を調整する。
(中華人民共和国最高裁判所から翻訳)
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