2023-12-21

韓国:本日改正デザイン保護法施行、改正商標法は来年5月1日施行を予定 ー Kim & Chang

改正商標法は、商標共存制度の導入、国際出願の分割認定等を骨子とし、2024年5月1日付で施行が予定されている。
また、2023年12月21日より改正デザイン保護法が施行される。本改正法は、関連デザインの出願可能期間の拡大、新規性喪失の例外主張可能時期の制限削除、優先権主張要件の緩和等を主な骨子としている。
それぞれの改正法の要旨は次のとおりである。

[2024年5月1日施行改正商標法の要旨]
1.商標共存制度の導入
 旧法では、2つの商標が実際に取引市場で共存していて、両商標権利者に共存の意志があったとしても、譲渡/再譲渡等の迂迴的な手続きによらない限りは商標登録を受けることができないという不便があった。このため改正法では、先願/登録商標の権利者から商標登録に対する同意を得た場合は例外的に商標登録を受けることができるようにするただし書条項を新設した。ただし同条項は、商標および指定商品がいずれも互いに同一である先願/登録および後願の間では適用されない。なお、附則によると、本改正法の施行前に出願された場合で施行後に商標登録可否の決定がされる場合にも本商標共存制度が適用されるため、現在出願中の商標も本改正法の適用を受けることができる見通しである。
2.共存商標の不正使用による登録取消制度の導入
 共存商標に係る同意を得て登録された商標の権利者またはその商標登録に対する同意をした者のうちいずれかが、不正競争の目的で自己の登録商標の指定商品と同一・類似の商品に自己の登録商標を使用することにより需要者に商品の品質を誤認させ、または他人の業務と関連した商品と混同を生じさせた場合には、審判請求により、その商標登録が取り消されることとした。
3.国際商標登録出願および国際登録基礎商標権の分割許容
 旧法では、マドリッド議定書による国際登録が韓国を指定国にしている場合において、韓国特許庁で当該国際商標登録出願および国際登録基礎商標権に対する分割出願ないし商標権の分割を認めておらず、外国出願人にとって不便が生じていた。このため改正法では、国際商標登録出願および国際登録基礎商標権に対する分割出願ないし商標権の分割を制限する特例規定を修正ないし削除し、外国出願人の便宜を図ることとした。
4.国際商標登録出願の国内登録商標の部分代替認定
 旧法では、国内登録商標の指定商品が国際登録商標の指定商品に「すべて」含まれている場合にのみ国際登録による国内登録の代替を認めていたため、最近改正されたマドリッド議定書規則との間で不一致の部分があった。このため改正法では、国内登録商標の指定商品が国際登録商標の指定商品のうち「一部」のみを含む場合にも部分代替を認める規定を導入した。

[2023年12月21日施行改正デザイン保護法の要旨]
1.関連デザイン出願可能期間の拡大(1年→ 3年)
 旧法では、関連デザインを出願することのできる期間が基本デザインの出願日から1年以内に制限されていたため制度活用に限界があった。改正法では、この関連デザインの出願可能期間を1年から3年に拡大した。
2.新規性喪失の例外主張可能時期の制限削除
 旧法では、本人のデザインの公知日から12月以内にデザイン出願をした者が、①出願時、②登録可否決定前、③異議申立に対する答弁書提出時、④無効審判に対する答弁書提出時にのみ新規性喪失の例外を主張することができるように時期の制限を設けており、権利範囲確認審判や民事・刑事訴訟での当該主張の可否について議論があった。このため改正法では、新規性喪失の例外を主張することのできる時期に関する規定を削除した。
3.優先権主張要件の緩和
 旧法では、優先権主張は最初の出願日から6月以内、優先権書類の提出は出願日から3月以内に行わなければならず、期限が経過した場合の救済手続きはなかった。このため改正法では、業務が不可能な状況である等といった正当な理由により優先権主張期限や書類提出期限を守ることができなかった場合には2月の追加期間を付与し、出願日から3月以内に優先権主張を補正・追加することができることとした。