2023-12-21

EUIPOが「BIG MAC」商標の取消から逆転審決、レストラン・サービスにおける真正な使用を認めた事例

 アイルランドを拠点とするファストフードチェーン、スーパーマックスが米マクドナルドの「BIG MAC」商標の取消しを求めていた事件で、EUIPO(欧州連合知的財産庁)取消部は取消しを認める判断を下したが、審判部は追加証拠を受理した後、取消部の決定を覆し、レストラン・サービスにおける「BIG MAC」商標の真正な使用を認める審決を下した。

 審判部は、マクドナルドが登録されている商品・サービスの一部、すなわち、調理済みの肉料理および鶏肉料理(第29類)、サンドイッチ(第30類)、レストラン及びドライブスルー施設の運営、持ち帰り食品の調理(第42類:services associated with operating restaurants, drive-through facilities and preparation of carry-out foods)に対する「BIG MAC」商標の真正な使用が立証されたと結論付けた。 

 書面による理由の陳述(statement of grounds)と共に提出された証拠から、審判部は「BIG MAC」が商品として広く普及しており、生活費を比較するためのマクロ経済学的に重要なベンチマーク(「BIG MAC指数」)として各国で使用されていること、および「BIG MAC」がレストラン・サービスの不可欠な部分として宣伝されていることを様々な広告資料が裏付けていることを示しており、審判部はこの点を考慮して、提出された証拠から、「BIG MAC」商標は特定のサンドイッチを識別するためだけでなく、食品提供者を宣伝するためにも使用されていると判断した。特に、「BIG MAC」サンドイッチは マクドナルドの施設以外のレストランでは購入できないことに留意すべきで、「BIG MAC」サンドイッチはマクドナルドが提供する特定のサンドイッチを識別するだけでなく、マクドナルドが提供するレストラン・サービスを他の事業者の同様のサービスと区別することを意図した方法で使用されていたことは明らかであるとして、「BIG MAC」商標の真正な使用を認めた。 

参考文献は こちら (EUIPOのサイト)