スイス連邦知的財産庁(IPI)は2024年1月1日、商標に関する新しいガイドラインを発表した。新ガイドラインには、仮想商品、非代替性トークン(non-fungible token:NFT)、仮想環境におけるサービスに関連する商標出願におけるIPIの分類実務に関する説明が含まれている。分類実務の変更は、昨年夏に行われたニース協定専門家委員会の年次会合ですでに焦点となっており、仮想環境における商品・サービスの分類に関するものであった。
情報を提供したMME Legalによると、新ガイドラインには仮想商品とNFTを保護するためのIPIの実務が含まれている。
仮想商品
新ガイドラインにおいてIPIは、「仮想商品(virtual goods)」を仮想環境で使用されるもので物理的な商品として理解されるものではないことを明確にした。仮想商品は基本的にデジタルコンテンツで構成されるため、他のダウンロード可能なデジタル商品と同様に第9類に分類され、対応する物理的商品の分類には含まれない。従って、「ダウンロード可能なバーチャル衣料品」、「ダウンロード可能なバーチャル玩具」、「ダウンロード可能なバーチャル建築資材」といった商品は、第9類で認められる。
非代替性トークン(NFT)
IPIは新ガイドラインで、「NFT」と用語だけではニース分類において分類可能な商品またはサービスではないことを明確にしている。従って、「NFT」という用語は個別のケースに応じて指定されなければならない。
NFTを商品と関連付けて分類する場合、NFTにより認証される商品の名称を明記する必要がある。許容される商品の例は以下のとおり;
* 第9類:downloadable digital image files authenticated by NFTs (NFTにより認証されたダウンロード可能なデジタル画像ファイル)
* 第9類:downloadable virtual shoes authenticated by NFTs (NFTにより認証されたダウンロード可能なバーチャルシューズ)
* 第25類:clothing authenticated by NFTs (NFTにより認証された衣類)
サービスの場合、NFTにより認証されたサービスか、NFT自体を保護対象とするサービスかを区別する必要がある。サービスがNFTにより認証されたものである場合、対応するサービスは正確に記載されなければならない。例えば、NFTによって認証されたダウンロード可能なデジタル画像ファイルの買い手と売り手のためのオンラインマーケットプレイスは、第35類で提供することができる。
NFTを保護対象とするサービスの場合、「non-fungible token」または「NFT」という用語をそのまま使用することができる。許容されるサービスの例は以下のとおり;
* 第41類:Education in the field of NFTs (NFTの分野における教育)
* 第42類:Online provision of non-downloadable software for minting NFTs(オンラインによるダウンロードが不可能なNFTを新たに発行する(ミントする)ためのソフトウェアの提供)