2024-01-24

EU:70年代、80年代にヒットを連発したクール&ザ・ギャングの商標 ― Knijff Trademark Attorneys

 米国のファンク・バンド、クール&ザ・ギャング(Kool & The Gang)の創設メンバーではベース奏者ロバート・”クール”(Robert “Kool”)一人だけが存命だが、2021年に、新しいメンバーでスタジオ・アルバム「Perfect Union」をリリースした。

 つまり、クール&ザ・ギャングはまだ「元気はつらつ健在」で、彼らの商標を積極的に保護し、類似する商標に対抗さえしている。クール&ザ・ギャングのEU商標「KOOL AND THE GANG」に基づいた異議申立ては、「GDD Spółka z o.o. spółka komandytowa」というポーランドの会社がEUで出願した商標「COOL GANG」に対してほぼ成功したといえる。

 EUIPO(欧州連合知的財産庁)は、EU商標「KOOL AND THE GANG」が指定するほとんどの商品・サービスで混同の虞(EUTMR第8条(4))があると判断した。「COOL GANG」商標は、バンドや音楽グループ用のものではなさそうだが、「KOOL AND THE GANG」で保護されている商品と類似の商品(文房具や袋など)を含んでいる。このようなケースで対応できることを知ることは、アーティストやバンド、DJで商標登録をしている者にとって朗報である。

 但し、EUIPOの異議決定にはやや気になる点もある。「KOOL AND THE GANG」商標がEUTMR第8条(5:名声)に基づき、より広範囲の保護レベルを有するかどうかを評価する際、異議部は次のように述べている:「Kool & The Gang 」という名称が商標として使用されていることは、証拠から推測することはできない。したがって、類似性の低い商品に対して名声に基づく特別な保護はない。クール&ザ・ギャングにとっては良いニュースでもあるが、そうでもないニュースでもある。

追記:この記事で「Kool & the Gang」と「Kool and the Gang」をごっちゃにしたわけではない。この音楽グループは一般的に「Kool & the Gang」と呼ばれているが、彼らはEU域内で「KOOL AND THE GANG」を保護している。商標マニアの皆さん: 「KOOL AND THE GANG」を登録しながら「KOOL & THE GANG」を使用することは、「登録された通りの使用」と評価される可能性が非常に高い。

本文は こちら (Kool & The Gang – Still Kool)