2024-03-06

有名ブランドにただ乗りしたフェアトレードのチョコレート - Knijff Trademark Attorneys

 多額の広告予算をかけずに新しい市場に参入するには?
 ゲリラ的マーケティングの世界へようこそ。今回の方法は、マーケットリーダーに挑戦することで、トニーズチョコロンリー(Tony’s Chocolonely:オランダの製菓会社)が「Sweet Solution」キャンペーンで行ったことだ。法的にはリスクが大きいが、大手ブランドが反応することで多くのメディアの注目を集めることができる。 

 トニーズチョコロンリーは、オランダで有名なチョコレートブランドで、様々なフレーバーのカラフルなチョコレートバーを販売している。チョコレート業界を搾取のないものにするという強力なブランドプロミス(ブランドが顧客に対して行う約束)が、彼らの成功の一端を担っている。2021年、トニーズチョコロンリーはカカオ農家がきちんと生活できるだけの収入を得られるよう支援するキャンペーンを開始した。このキャンペーンは、ツイックス(Twix)、ミルカ(Milka)、トブラローネ(Toblerone)といった他の主要ブランドと同じ外観のチョコレートバーであったため法的なリスクは明らかだったが、申立てはなかった。 

 トニーズチョコロンリーは、ドイツでこのキャンペーンを繰り返していたが、ついに訴訟に直面した。トニーズチョコロンリーは、紫色のチョコレートバーがミルカの権利を侵害しているという裁判所の判決を受け、このチョコレートバーを市場から撤去しなければならなくなった。トニーズチョコロンリーは、ミルカの親会社であるモンデリーズ(Mondelez)と商標権を裁判所で争うことではなく、不公平について話し合うことを望んでいたと述べた。というのも、すでにトニーズチョコロンリーのプランBが実行に移されていた:チョコレートバーのパッケージをグレーに変えて「明らかに紫色ではない。弁護士ではなく、農家にお金を払おう」とメッセージを付け加えた。 

 トニーズチョコロンリーの目的は、フェアトレードのチョコレートを作り、不正と闘うという崇高なものだが、他のブランドの名声にただ乗りしている。そしてそれは、やや不快で後味もグレーだ。

本文は こちら (Chocolate parodies, a good idea?)