吉川醸造株式会社（以下、「吉川醸造社」）は、ラーメンチェーンのAFURI株式会社（以下、「AFURI社」）が吉川醸造の商標「雨降（筆文字）」に対して提起した「無効審判」に係る訴訟（以前の記事は こちら）について、最高裁判所がAFURI 社の上告および上告受理申立てを認めないとの決定を下し、高裁判決通り吉川醸造社の勝訴が確定したと自社サイトで発表した。
知財高裁は、AFURI社が提起した商標登録無効審判の取消訴訟で、本件商標と引用商標は、外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象等を総合し、かつ、その商品又は役務に係る取引の実情を考慮しても、役務の出所について誤認混同を生ずるおそれがあるとまではいえず、互いに類似するものとは認められないとして、商標法４条１項１１号に該当しないとし、また、商標法４条１項１０号、商標法４条１項１５号、商標法４条１項１９号及び７号の該当性についてもAFURI社が主張する取消事由に理由がないとして、請求を棄却した。
吉川醸造社は、両社間では現在も複数の裁判および審判が進行中で、例えばAFURI 社が吉川醸造の商品ラベル等の商標権侵害を主張し、ライセンス料相当額（AFURI 社によればお酒の売上の30％）を損害賠償請求している訴訟については、東京地裁における審理が継続している（事件番号：令和5年（ワ）第70297号）とも報告している。