(令和7年1月22日 知財高裁令和6年(行ケ)第10072号 審決取消請求事件)
事案の概要
原告(被請求人・商標権者)が有する本件商標「INTUITION」(登録第6065381号)の欧文字を横書きしてなり、指定商品 25類「靴類、げた、草履類、洋服、コート、アイマスク、エプロン、 えり巻き、靴下、ゲートル、毛皮製ストール、ショール、スカーフ、足袋、 足袋カバー、手袋、ネクタイ、ネッカチーフ、バンダナ、保温用サポーター、 マフラー、耳覆い、運動用特殊衣服(「水上スポーツ用特殊衣服」を除く。)、 運動用特殊靴(「乗馬靴」及び「ウインドサーフィン用シューズ」を除く。)、スリッパ、サンダル靴及びサンダル、げた、運動靴及び運動用特殊靴、木綿製靴」について、被告(請求人)は、登録取消審判(2023-30006)を請求した処、特許庁は成立審決したため、知財高裁に対し本件審決の取消しを求めて本件訴えを提起した事案である。
判 旨
上記の事情を総合すると、前記認定の電子メールの送信により、チル社は、要証期間中の令和3年10月30日、価格表、取引書類を内容とする情報に「INTUITION」の商標を付して電磁的方法により他社に提供したと認められる。そして、この商標の使用は、本件商標の指定商品に含まれる靴類についての使用であると認められる。チル社がチル商品資料及びチル説明資料において商標として用いた「INTUITION」の文字は、本件商標と書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標であって、本件商標と社会通念上同一の商標であると認められる。前記認定したチル社関係の事情によれば、チル社は、原告と密接な関係があり、その業務には原告の意思が反映されているものと認められ、チル社は、本件商標の使用について原告から通常使用権を許諾されていたものと認められる。そして、チル社が、チル商品資料及びチル説明資料において、本件商標と社会通念上同一の商標である「INTUITION」の文字を商標として用いたことは、原告から許諾された本件商標の通常使用権に基づくものと認められる。そうすると、チル社は、本件商標の通常使用権者として、本件商標と社会通念上同一の商標である「INTUITION」の商標を使用したと認められる。前記によれば、本件審判請求の予告登録前3年以内である要証期間に、本件商標の通常使用権者であるチル社が、本件審判請求に係る指定商品に含まれる靴類について、本件商標と社会通念上同一の商標を、価格表、取引書類を内容とする情報に付して電磁的方法により提供することによって使用していることを、原告が証明したものと認められる。
コメント
知財高裁は、指定商品中靴類について通常使用権者が要証期間内に本件商標を使用していると認定し、これを否定した審決を取り消したものである。審決では使用商標の同一性も問題となったようだが、本件訴訟では是正されたようで問題になっていない。不使用取消審判においては、被請求人(商標権者)は、使用商標、使用商品・役務、使用時期、そして使用者について矛盾なく丁寧に立証しなければならない。