2025-10-20

明治の「果汁グミ」商標は商標法第3条第2項該当性が認められて登録

株式会社 明治(以下、明治)は、「果汁グミ」のブランドロゴ(以下、「本願商標」)を特許庁へ商標登録出願し、2025年9月5日に商標登録されたと発表した。

 

本願商標は、令和5年4月13日に登録出願されたが、商品の品質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標で商標法第3条第1項第3号に該当するとして令和6年2月26日付けで拒絶査定を受けた。この時は商標法第3条第2項該当性も否定された。
明治はこの査定を不服として審判請求した。
審判では、商標法第3条第1項第3号に該当するとされたが、本願商標が、その指定商品について、明治により継続的に使用した結果、需要者が何人か(明治)の業務に係る商品を表示する商標として認識するに至ったものと認められ、商標法第3条第2項の要件を具備していると判断された。

審判で評価された明治の提出資料:
* 明治は、1988年から現在に至るまでの35年以上にわたり、継続して製造、販売しており、「果汁グミ」の文字からなる商標を継続して使用し、少なくとも2011年以降は、本願商標と同一性を損なわない範囲の商標を継続的に使用しているものと認められる。
* この商品は全国で販売され、2018年ないし2020年における販売額及びブランドシェアは、ともに連続して市場シェア1位を獲得している。
* この商品について、全国放映のテレビCMを通じた広告宣伝活動に加え、雑誌・新聞広告、街頭広告、ポスター広告による広告宣伝活動、SNSでのキャンペーンを通じた販売促進活動を継続的に数多く行っているほか、この商品は、新聞、雑誌等が実施するバイヤー調査等の独自調査において、ブランド別で総合首位を獲得するなど、高い評価を得ており、多数の新聞、雑誌、書籍、インターネット、テレビ等の媒体にも取り上げられている。
* 2023年5月26日から6月11日に株式会社インデックス・アイが実施したインターネット調査によれば、この商品の認知度は、全国で69.1%、首都圏40キロ圏内では71.5%であり、いずれも高い認知度を獲得した。
* 2023年5月にアイブリッジ株式会社が実施した「グミ(お菓子)に関する調査」(インターネット調査)によると、グミの商品別認知率において、認知率が最も高いのはこの商品であり、81.3%を獲得するなど、この商品は、需要者に相当程度知られていると認められる。

「果汁グミ」の発売経緯とブランドロゴの商標登録の背景
「果汁グミ」は、くだもの本来のおいしさを手軽に楽しむことをコンセプトに、果汁100、着色料不使用の設計にこだわり続けるグミブランドで、ブランド名も果汁そのもののおいしさを伝えたいという想いから、シンプルに「果汁グミ」と名付けられた。

グミはドイツ発祥で、子どもの噛む力を強くする目的で作られたといわれており、日本で初めてグミを発売した明治は、子ども向けのお菓子として人気があったグミを、より幅広い年代の人にも楽しんでほしいとの想いから「大人向けのグミ」として「果汁グミ」を開発した。

「果汁グミ」は、ブランド名そのものが商品の魅力を最も伝えられる名称で、明治は、「果汁グミ」ブランドの本質的な価値を守るため商標登録に取り組み、2025年9月に「果汁グミ」のロゴが商標登録(登録番号:6964994)された。