(令和8年1月26日 知財高裁令和7年(行ケ)第10086号 「Discover Japan TRAVEL」事件)
事案の概要
原告(審判請求人・出願人)は、本願商標「Discover Japan TRAVEL」(標準文字)39類 「旅行の企画・運営・実施・手配又は予約、旅行の企画・運営・実施・手配又は予約に関する指導・助言・相談又は情報の提供、企画旅行の実施等」について、登録出願をしたが拒絶査定を受けて、拒絶査定不服審判(2025-3339)の請求をした処、特許庁は不成立審決をしたため、知財高裁に対し、審決の取消しを求めて提訴した事案である。争点は、本願商標の商標法4条1項11号該当性で、引用商標は「DISCOVER JAPAN」(標準文字 登録第5811472号)39類「企画旅行の実施、旅行者の案内、旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ、旅行情報の提供、観光地・観光施設に関する旅行情報の提供等」である。
判 旨
本願商標は・・・「Discover」と、「Japan」と、「TRAVEL」の各文字部分とで構成される結合商標であり、その構成中、「Discover」は「発見する」の、「Japan」は「日本」の、「TRAVEL」は「旅行する」又は「旅行」の意味をそれぞれ有する、平易な英単語である(証拠略)。また、本願商標を構成する各語の間には空白が設けられているところ、その構成中、「Discover」及び「Japan」」の各文字部分は、いずれも語頭のみ大文字で、それ以外は小文字で表してなるのに対し、「TRAVEL」の文字部分は、全て大文字で表してなるものであって、そうすると、「Discover Japan」と「TRAVEL」は、外観上、分離して認識、観察されるものといえる。上記によれば、本願商標が、実際の取引において、各構成部分が それを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとは認められず、本願商標については、その構成中、「Discover Japan」の部分を要部として抽出し、この部分のみを引用商標「DISCOVER JAPAN」と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。引用商標は、「DISCOVER JAPAN」を標準文字で表してなるもので、「ディスカバージャパン」の称呼が生じ、「日本を発見する」との観念が生ずるものといえる。そこで、本願商標と引用商標を対比すると、本願商標の要部(「Discover Japan」)と引用商標(「DISCOVER JAPAN」)は、称呼及び観念において同一であり、外観においても、大文字ないし小文字の表記上の差異はあるものの、いずれも欧文字の標準文字を横書きにしてなるもので近似するのであって、本願商標及び引用商標を同一又は類似の役務に使用した場合には、役務の出所について誤認混同を生ずるおそれがあるということができる。したがって、本願商標と引用商標は互いに類似すると認めるのが相当である。
コメント
本件事案においては、本願商標について要部観察の是非が争われて、知財高裁も「Discover Japan」を要部と認めて引用商標とは類似と判断し、審決を支持したもので、正当である。本願商標の構成上から要部を認定しているが、審決は加えて、「TRAVEL」は、その指定役務中、39類の「旅行に関する役務」との関係を踏まえての認定で合理性があり、より妥当である。
