インド商標登録局(Indian Trade Marks Registry)では、現在も商標出願の審査に相当のバックログが生じており、審査に要する期間は、審査待ちの順番やその他の手続上の進行状況に応じて異なるものの、概ね550~800営業日以上だ。
このような状況を踏まえ、現行の商標規則には、出願人が自己の商標出願について早期処理を求める正式な申請を行うことができる制度(規則34:出願の早期処理)が設けられている点を改めて紹介したい。この申請は、商標出願番号が付与された後であれば直ちに提出することが可能で、申請が受理されると、適用される法令及び商標登録局の運用実務に従い、通常の審査待ちの順番よりも優先して取り扱われ、迅速な審査が行われるのが一般的だ。
早期処理制度は、審査段階にとどまらず、その後の手続についても適用される。具体的には、審査報告書(Examination Report)に対する応答の検討、ヒアリングの期日指定、出願公告、異議申立ての処理など、出願について最終的な処分がされるまでの一連の手続が対象となる。
実務上、早期処理の対象となった出願は通常出願に比べて迅速に進行することが多く、出願から1~4週間程度で審査が開始される場合もある。もっとも、実際の処理期間は、商標登録局の業務量に加え、拒絶理由の有無、補正、ヒアリングの実施、異議申立て、期日の延期などの事情に左右される。したがって、早期処理を利用したとしても一定期間内の登録が保証されるものではないが、発売日が決まっている商品・サービス、権利行使戦略、ライセンス設定、その他事業上重要なマイルストーンに関連する商標出願については、有効な選択肢となり得る。
事業上重要な商標出願が控えている場合などでは、商標登録局の運用実態の現状を踏まえて、早期処理制度の利用が適切かどうか検討する価値はありそうだ。
