「TINY TREKS」は、魅力的で冒険心を感じさせる名称である。まさにその名称にふさわしく、この商標は、ベビーカー、トロリー、キャンピングトレーラー、車椅子などの商品について出願された。
1970年代から事業を展開している米国の総合自転車メーカー、トレック・バイシクル(Trek Bicycle Corporation)は、「TREK」商標の下で世界中に自転車を販売している。同社は、欧州で41類の役務を指定して登録出願された「TINY TREKS」商標に対して、先行商標が有する名声を根拠に異議を申し立てた。
しかし、その名声については立証する必要があった。欧州連合知的財産庁(EUIPO)によれば、トレック・バイシクルはその立証に成功した。
EUIPOは、両商標を比較し、一定程度の類似性があると判断した。先行商標「TREK」は「TINY TREKS」の中にそのまま完全な形で含まれており、その結果、両商標の間には外観上および称呼上の類似性が生じている。
商品の特徴も重要な役割を果たした。自転車、乳母車、車いす、手押し車はいずれも、より広い意味でのモビリティや運輸の分野に属する。これらの商品には一定の共通する特徴があり、同一の消費者層に訴求する可能性があるほか、場合によっては類似した販売経路を通じて提供されることもある。
EUIPOによれば、これらの事情は、関連する公衆が両商標の間に関連性を認識するのに十分であった。先行商標が名声を有する場合には、たとえ類似性の程度が限定的であっても、その商標を想起させるには十分な場合がある。
最後にEUIPOは、「TINY TREKS」が先行商標の名声および肯定的なイメージから利益を得る可能性があるか否かを判断する必要があった。そして、「TINY TREKS」が「TREK」商標の名声に不当に便乗するおそれがあると結論付けた。そのため、「TINY TREKS」商標の登録は拒絶された。
本件は、商標の登録可能性を調査する際、直接的な競合商標だけを対象とするのでは不十分であることを示している。商標権者は、特に自らの商標が一定の名声を有している場合には、隣接する分野における類似商標についても監視することが賢明であろう。
本文は こちら (Trek Bicycle Corporation successfully fends off TINY TREKS)
