フランチャイズというと、多くの人がまずレストラン、小売チェーン又はサービス店舗を思い浮かべる。しかし、法的観点からみれば、フランチャイズの本質は、加盟店が本部のブランドを使えることにある。この権利は通常、商標ライセンスを通じて付与される。商標は、フランチャイズ・システムにおいて最も価値の高い資産であることが多い。商標ライセンスを通じて、フランチャイザーは、顧客に対するブランドの表示方法に関する統制を維持しながら、フランチャイジーに対し、自己の商標、ロゴ、ブランド表示の使用を許諾する。
フランチャイズ事業における商標の役割
2019年商標法において、「標章」とは、取引の過程において、ある事業体の商品又は役務を他の事業体の商品又は役務から識別することができる標識をいう。この識別機能は、フランチャイズ契約において特に重要である。すなわち、フランチャイジーがフランチャイザーの商標を使用することにより、消費者は当該事業の出所、品質、信用を認識することができる。このように、商標は、ブランド・アイデンティティの維持、市場における認知の強化、フランチャイズ・システムの商業的価値の保護に寄与している。
フランチャイズにおけるブランド保護の法的基盤
ミャンマーには現在、フランチャイズ契約を規律する特別な法定の枠組みは存在しない。そのため、フランチャイズ契約は、一般に、1872年契約法(Contract Act 1872)、2019年商標法、2015年競争法(Competition Law 2015)、2019年消費者保護法(Consumer Protection Law 2019)及び関連する施行規則・規制を含む、より広範な適用法令の枠組みにより規律される。
フランチャイズ契約における商標ライセンスは、特に2019年商標法により規律される。フランチャイザーは、ミャンマーにおいてフランチャイジーに使用許諾する予定の商標が2019年商標法に基づき登録されていること、関連する商標ライセンスが知的財産局(IPD)に適切に記録されていることを確保すべきである。
商標ライセンスの記録
2019年商標法に基づき、登録商標の所有者は、他の個人又は法人に対し、当該登録商標の使用を許諾することができる。ライセンスを有効にするためには、商標所有者又はライセンシーが、IPDに対して記録の申請を行わなければならない。現行規則上、記録の対象となるのは登録商標に限られており、係属中の商標出願に関するライセンスの記録手続は、いまだ定められていない。
ミャンマーにおけるフランチャイズに対する提言
フランチャイズを通じてミャンマー市場への参入を目指す外国ブランドは、事業活動を開始する前に、ミャンマーにおいて商標登録を完了させるべきである。適切な商標保護は、権利行使上の困難を軽減し、ブランドの無断使用を防止し、回避可能な法的及び商業的リスクを低減するために不可欠である。
フランチャイズ契約は、商標権を基礎とするブランド主導型の商取引関係である。したがって、ミャンマーで事業を行う企業にとって、適切に起案された商標ライセンス契約は、ブランド価値の保護、一貫した品質基準の維持、運営に関する統制の確保及び持続可能な長期的成長の支援のために、極めて重要である。
