2026-09-25

EUリモージュ磁器が初の工芸・工業製品GIに登録、IPEPによる税関取締りも実現 - EUIPO

欧州連合(EU)において、工芸・工業製品を対象とする地理的表示(Craft and Industrial Geographical Indication:CIGI)の制度が実際に運用され、2026年5月、フランスの「Porcelaine de Limoges(リモージュ磁器)」がEUで初めてCIGIとして登録された。さらに9月、同CIGIについて、EUIPOの知的財産権エンフォースメント・ポータル(IP Enforcement Portal:IPEP)を通じた税関取締申請(Application for Action:AFA)が初めて提出されたことがEUIPOから発表された。これは、新たに導入されたCIGIについて、登録だけでなく、税関におけるエンフォースメントのための手続が開始されたことを示す事例である。

今回の案件が重要なのは、CIGIという新しい知的財産権について、登録制度とエンフォースメント制度が初めて実際につながったことにある。
AFAは、知的財産権者等が税関当局に対し、侵害が疑われる物品を発見した場合に差止め等の措置を講じるために必要な情報を提供する申請である。つまり、CIGIを「登録して権利を取得する」段階から、実際にEU域外から流入する模倣品等に対して「税関で権利を行使する」段階へ進んだことを意味する。

EUIPOも、今回のAFAについて、CIGIについての登録だけでなく、EUIPOがこの新しいEU知的財産権のエンフォースメントにも重要な役割を果たすことを示すものと説明している。また、CIGI製品の知名度や商業的価値が高まれば、模倣品対策の重要性も増すとしている。

今回の「Porcelaine de Limoges」は、EUが農産物・食品で長年運用してきたGI保護を工芸・工業製品へ拡張するだけでなく、登録されたCIGIを税関によるエンフォースメントにつなげる仕組みが実際に機能したことを示す最初の具体例といえる。