2026-10-05

EU:強い商標が違いを生む、「App Store」が「APstore」の登録を阻止 - Knijff Trademark Attorneys

Appleが提供するアプリのデジタルマーケットプレイス「App Store」は、誰もが知っている。現在では、その名称は「iPhone」「iPad」「MacBook」「iMac」と並ぶ存在となっている。

「APP STORE」は、コンピュータソフトウェアおよびアプリケーションに関するオンライン小売サービスを含め、商標として登録されている。そして、「app(アプリ)」と「store(ストア)」という語自体は、決して創造性に富んだものとはいえないものの、長年にわたる使用によって、この結合商標は非常に強い地位を築いている。

中国河南省に拠点を置く火力および再生可能エネルギー企業のYuneng Technology(以下、「Yuneng」)は、欧州連合(EU)において商標「APstore」を登録しようとした際に、「App Store」の影響力の大きさを、身をもって知ることになった。「APstore」の商標登録出願は、広告サービス、購入者保護や延長保証に関するサービスを指定していた。これに対してAppleは異議を申し立て、膨大な証拠を提出した。その証拠には、ダウンロード数が数千億件に上ることや、週当たりの訪問者数が数億人に達することを示す数値資料から、Forbes、Reuters、BBC、The New York Timesに掲載された記事までが含まれていた。 

Appleは、例えば、2012年のForbesの記事を提出した。同記事でAppleが「史上最も価値のある企業」と評されていたことを示した。これらを踏まえ、欧州連合知的財産庁(EUIPO)は、「APP STORE」の高い知名度が十分に説得力をもって立証されていると判断した。

そこから「APstore」の登録を拒絶するまでの道のりは、比較的短いものであった。両商標はわずかな点で異なるだけであり、一方は1文字少なく、かつスペースがないという違いである。EUIPOは、両商標について、外観上および観念上非常に類似しており、さらに称呼上も同一となる可能性があると認定した。

Yunengの指定サービスは、Appleの中核的な事業と同一ではなかったが、本件では最終的に、この点はほとんど重要ではなかった。「APP STORE」の高い知名度を踏まえ、EUIPOは、「APstore」に接した需要者が直ちにAppleを想起する可能性が高く、その結果、Yunengが先行商標の有する顧客吸引力および商業的価値から利益を得ることになると判断した。

登録、使用、そして知名度の確立に長年にわたって投資する者は、単なる認知度だけでなく、法的な強さも築き上げることになる。知名度は、それぞれの事件において改めて立証する必要がある。しかしAppleは現在、利用実績、マーケットデータ、第三者による独立した出版物など、広範な証拠資料を有しており、これらを用いて、その知名度を比較的説得力をもって立証することができる。

「APP STORE」と「APstore」の間に存在する強い類似性と、こうした証拠資料が組み合わされた結果、本件では「APstore」の商標登録を阻止するには十分であった。

本文は こちら (Strong trademarks make the difference: Apple stops APstore)