2026-10-08

EU:「CHOPIN(ショパン)」は商標として真正な使用と認められるか? - Knijff Trademark Attorneys

「Chopin」という名称からは、ポーランド系フランス人の著名な作曲家・ピアニスト、フレデリック・ショパン(Frédéric Chopin)が直ちに想起される。

その氏名はクラシック音楽との関連において世界的に知られており、また、ポーランドにおいて強い文化的意義を有している。この著名性が、欧州連合知的財産庁(EUIPO)審判部による最近の決定の核心となっている。ポーランドのフリデリク・ショパン研究所(Fryderyk Chopin Institute)は、広範な商品・役務を指定して「CHOPIN」をEU商標として登録した。その後、第三者が不使用を理由として当該商標登録の取消しを申し立てたところ、これらの商品・役務の一部について登録が取り消された。同研究所はこの決定を不服として審判部に不服申立てを行った。

注目すべきことに、審判部は、以前に取り上げた「GEORGE ORWELL」事件を明示的に引用している。同事件では、EUIPO大審判部が、書籍、デジタル媒体、教育役務などの商品・役務について、需要者は「GEORGE ORWELL」を商標として認識するのではなく、主として、その作家本人、その著作、および同人に関連する思想を指すものとして認識すると判断した。このように商品の内容と密接に結び付いた名称は、出所表示として機能することができない。

「CHOPIN」事件は、これとは若干異なる法的問題を提起している。ここで問題となっているのは、標章の登録要件を充たしているかではなく、実際に商標として使用されているかどうかである。使用が真正な商標使用に該当するためには、「CHOPIN」が単に商品上に表示され、または役務との関連で使用されているだけでは十分ではない。需要者がその名称を商品の出所を表示するものとして認識できなければならない。

審判部によれば、したがって、「GEORGE ORWELL」事件における判断理由は、本件にも関連し得る。例えば、文化活動、教育、印刷物、デジタル媒体との関係において、「CHOPIN」が、ショパンの音楽など、当該商品等の主題となっている作曲家を単に指すものとしてのみ認識されるのであれば、そこには商標としての使用にはならない。

しかし、審判部は、まだ最終的な結論には達していない。「GEORGE ORWELL」事件に関する手続は現在、欧州連合司法裁判所の一般裁判所に係属中である。そのため、「CHOPIN」事件の手続は、「GEORGE ORWELL」事件について最終的な判断が下されるまで中止されている。

このことは、先行する「GEORGE ORWELL」事件に、より広い意義を与えることになる。「GEORGE ORWELL」事件の判断は、著名人の名称の商標登録要件だけでなく、既存の商標登録の有効性や、それらが商標として有効に使用されているかどうかにも影響を及ぼす可能性がある。
(続く…) 

本文は こちら (Can CHOPIN be marked as a trademark?)