2016-12-03

ベトナム:‘SANTAK’ 商標権侵害(続報)-- by AGELESS IP Attorneys and Consultants

近年、ベトナムにおける知的財産権の出願・登録の増加に伴い、商標権侵害をはじめとする知財権侵害が数多くみられるようになった。このことは商標権者ばかりか消費者や社会にとっても厄介な問題だ。以下の ’SANTAK’ 商標の事例は、ベトナムにおける商標権侵害に警鐘を鳴らすものとなろう。

santak’SANTAK’ はEATON社の著名商標であり、ベトナムにおいて1995年指定商品UPS(無停電電源)で商標登録し、国内外で様々な用途で広くUPS市場のシェアを獲得している。そのため不正な業者が ’SANTAK’ の高い評判を利用してコピー商品や模倣品を作っている。AGELESS事務所はベトナム関税総局、知的財産権保護執行ユニット(Anti-Smuggling and Investigation Department)、ハイフォン税関(Haiphong Custom Department )の協力のもと2016年調査を行い、’SANTAKUPS’ と表示されたUPS55機を発見した。これらはベトナムの企業が中国から輸入したものだった。’SANTAKUPS’ と表示したUPSはベトナムでは ’SANTAK’ 商標の侵害となる。これら出荷物の発見後速やかな手続きにより、ハイフォン税関は出荷物の税関手続き中止の行政処分を決定した。

AGELESS事務所の要請でベトナム知的産業研究所(Vietnam Intellectual Property Research Institute (VIPRI))はこの事件を以下のように結論付けた。

’SANTAKUPS’ は一連の文字ではあるが、消費者は ’SANTAK’ と ‘UPS’ の2つの文字であると認識し、またUPSはUninterruptible Power Supplier(無停電電源)の略称として知られているため、VIPPIは ’SANTAKUPS’ 表示がベトナムにおいて保護されている商標 ’SANTAK’ と極めて類似する。故に、EATON社の許可なく’SANTAKUPS’ 表示を付したUPS製品は商標権侵害となる。

ベトナムでビジネスを展開する企業にとって、知財権侵害発見後の素早い対応と行政との連携が知財権保護の成功のカギとなるが、継続して市場を監視することとベトナムの知的財産法の改正ポイントを見逃さないことが大切である。

本文は こちら (SANTAK trademark infringement in Vietnam)