INTA(国際商標協会)の影響調査委員会(ISC:Impact Studies Committee)は、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイにおける商標集約的な産業が経済全体に占める割合についてのレポートを公表した。これは、東南アジアの5大市場における商標と国内総生産(GDP)、輸出シェア、雇用への経済的影響との相関関係に関する最初の分析である。
本調査によると、製造業が各国を通してトップの商標集約的な産業であり、製造業に続く産業は情報通信、建設、小売などであった。直接的な貢献度としては、シンガポールの商標集約的産業が2012年から2015年までの国内総生産(GDP)の50%を占めた。また、インドネシアでは21%、マレーシアでは30%、フィリピンでは17%、タイでは22%がGDPに占める割合であった。商標集約的産業の各国輸出シェアへの貢献度は、27%から60%であり、インドネシアの輸出の27%、シンガポールとタイの輸出の60%が、商標集約的産業によるものであった。また、シンガポールの労働者の約29%が商標集約的産業に雇用されており、マレーシアの労働者の約25%が商標集約的産業で働き、これらの産業によりマレーシアの輸出の55%を生み出されていることが分かった。