2021-04-20

[韓国デザイン保護法改正] 物品性のない画像もデザイン登録が可能に - Kim & Chang

韓国ではこのたび、ホログラム、仮想キーボードなど物品の外観形態がないものや、物品に表示された形態ではない画像についてもデザイン登録および保護を認めるデザイン保護法が2021年3月24日に国会で議決され、4月20日に公布された。改正法は公布後6ヶ月である2021年10月21日から施行される。
 
韓国では2003年から、デザイン審査基準上「物品の液晶画面など表示部に表示される図形など」を画像デザインとして保護してきたが、物品性をデザインの成立要件として要求してきたため、投射による画像はデザイン登録を受けることができなかった。

しかしこのたびの改正法では、「画像」がデザインに該当することをデザイン保護法に明示し、画像を「デジタル技術または電子的方式により表現される図形・記号等で、器機の操作に利用され、または機能が発揮されるものに限定」すると規定して、画像の実施行為を「画像を生産・使用・電気通信回線を通じた方法で提供し、もしくはその画像を電気通信回線を通じた方法で提供するための申出(電気通信回線を通じた方法で提供するための展示を含む)をする行為、またはその画像を保存した媒体を譲渡・貸渡し・輸出もしくは輸入し、またはその画像を保存した媒体を譲渡もしくは貸渡しするための申出(譲渡または貸渡しのための展示を含む)をする行為」と規定して保護を強化している。
 
一方、今回の改正法に対し、著作権主務行政機関である文化体育観光部からは、物品と関係がないデザインまでを保護することは、物品に限ってデザイン権を付与しそれ以外は自由な類似創作を許容する現行法の体系から外れるもので、特に著作権法上保護される応用美術著作物と画像デザインの区別が難しくなり自由な創作行為が萎縮する可能性があるという意見も挙げられた。
 
したがって、今後は機能性があり物品性がない画像であれば改正法で導入された画像として、機能性がないものであれば従来どおり物品性を備えた画像デザインとして出願する必要があると思われる。