Jacuzzi®（ジャグジー）の商標権侵害に関する手紙は、オランダのホテルオーナーや休暇村を驚かせたが、手紙を受け取った方はそれをついて何も知らなかった。
彼らの驚きは理解できないものではない。ここ数十年間、オランダではJacuzzi®が温水浴槽の一般名称ではなく、登録商標であることを知っていた人は少なかった。実際、Jacuzzi®は温水浴槽の単なる同義語として使われることが多かった。
そしてそれこそが、Jacuzzi®の一般名称化を阻止しようとする会社の狙いなのだ。このようなことは、過去にアスピリン（Aspirin）やフリスビー（Frisbee）などの商標でも起こっている。自分の商標が一般名称になってしまったら、誰でも自由に使うことができるようになり、その価値を失うことになる。
したがって、Jacuzzi ®の弁護士は、実際にはJacuzzi ®温水浴槽を所有していないのに、広告やその他のコミュニケーションツールでその名称を（「ジャグジー付きの快適なスイートルーム」などと）使用し、その結果、Jacuzzi ®ブランドの高級イメージやグッドウィルの恩恵を受けているホテルや休暇村に通知を出したのだ。
通知についてどう思うかは自由だが（最近のニュースでは「脅迫的な表現」という言葉が使われていた）、商標権者にとっては生き残りをかけた問題なのだ。弁護士からの手紙だけでなく、これらの手紙によって生み出された宣伝効果（このニュースレターを含む）により、Jacuzzi ®ブランドを再び目立たせ、他の温水浴槽、泡風呂、や「一体型気泡風呂」などのブランドと区別するのに役立った。
そして、それは正当化されてよいことかもしれない。なぜなら、Jacuzzi®は、単なる温水浴槽のブランドではなく、1949年に15ヶ月の息子ケネスのリウマチ性関節炎を和らげるために、泡の出る風呂のアイデアを考案した発明者であるキャンディド・ジャクジー（Candido Jacuzzi）のブランドなのだから。