2026-06-09

豪州:「Australian IP Report 2026」を公開 - IPオーストラリア

IPオーストラリアは、本年5月6日に「Australian IP Report 2026」を公開した。本レポートは、世界的な地政学的リスクと経済の分断が進む中、オーストラリアの知財活動が過去最高水準の強靭さ(レジリエンス)を示したことを報告するもので、特に、初めて知的財産権(IP:商標・特許)を取得した企業が、競合他社を圧倒する収入・生産性向上を達成しているというデータは、IPが単なる法的保護を超えた「強力な経済的成長エンジン」であることを証明している。以下、商標に関する項目を以下にまとめた。

1. 経済的効果
商標を登録した企業は、同様の成長をたどる他の企業と比較して、労働者1人あたりの売上高が平均で16%増加したことが明らかになった。また、商標登録を行った企業の平均収益は類似企業より78%高く、大幅な収益増にもつながっていることが判明し、商標登録が企業の生産性と収益の持続的な成長を強力に後押ししていることを示した。

2. 過去最高を記録した商標出願・登録件数
2025年のオーストラリアにおける商標出願数は97,345件(前年比13.3%増)を記録した。また、登録件数も70,614件(同5.4%増)となり、商標出願、登録件数共に過去最高を記録した。

3. 出願ルートと国内外の内訳
オーストラリア国内の居住者による商標出願が全体の57.4%を占め、非居住者(海外)の出願が42.6%であった。また、マドリッド制度(マドプロ)を介した国際登録出願(17,212件、前年比4.8%増)よりも、オーストラリアへの直接出願(80,133件、前年比15.3%増)の伸びが3年連続で上回った。マドリッド制度の利用は2021年にピークを迎え、その後減少している。

4. 主な出願人国
海外からの出願では、中国からの出願件数が前年比20.6%増加し、全出願件数の14.8%を占めた。他にも米国、英国、ドイツ、ニュージーランドからの出願は数年間の減少を経て4%増から10%増に回復した。それらの国以外ではトルコ(237件、前年比41.1%増)、シンガポール(803件、前年比25.3%増)、アイルランド(281件、前年比23.2%増)、インド(400件、前年比19.0%増)からの出願が相対的に大きな増加を示した。

5. 商標出願の多かった分野
2025年の商標出願は、1出願あたり平均1.75区分であった。出願の多かった区分は広告・小売、テクノロジー・電気機器、教育・エンターテインメント、科学技術サービス、衣料品などの分野で高い出願傾向が見られた。特に、役務分野の商標出願が前年比18.5%増と、商品分野(前年比10.7%増)を大きく上回った。その中でも、金融サービス(前年比25.1%増)、建設サービス(前年比24.0%増)、科学技術サービス(前年比23.4%増)、広告・小売サービス(前年比21.9%増)の伸びが顕著であった。

特許を含めた「Australian IP Report 2026」本文は こちら