米国特許商標庁(USPTO)はこのほど、特許、商標及び著作権などの知的財産に大きく依存する産業が米国経済にもたらす影響を分析した報告書「Intellectual Property and the U.S. Economy in 2024」を公表した。同報告書によれば、知財集約型産業は米国の国内総生産(GDP)の44%を占めるとともに、雇用全体の44%を支えるなど、米国経済において極めて重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
報告書によると、製造業、卸売・小売業、専門・技術サービス業、経営・管理・事務サービス業などに属する128の知財集約型産業が生み出した2024年の経済効果は以下の通り;
* 米国GDPの11兆4,000億ドルを創出し、GDP全体の44%を占めた
* 4,960万人を直接雇用し、米国全体の雇用の33%を占めた
* 知財集約型産業の生産・販売活動に伴い、関連する他産業で生み出された間接雇用は米国全体の雇用の11%を占めた
* 直接雇用と間接雇用を合わせると、知財集約型産業は米国全体の雇用の44%を支えている
今回の報告書では新たな分析として、知財集約型産業の経済的貢献は産業分野によって大きく異なることが示された。特に情報サービス業及び製造業では知財集約型産業の存在感が際立っており、それぞれの産業において生産額に占める割合は90%超、雇用に占める割合は80%超に達している。
また、知財集約型産業では賃金水準にも大きな優位性が認められた。同産業で働く労働者の平均週間賃金は、その他の産業の労働者より53%高いことが判明した。なかでも、著作権集約型産業では約130%、実用特許集約型産業では約90%の賃金プレミアムが認められた。さらに、この賃金プレミアムは過去10年間で13%上昇している。
輸出面でも知財集約型産業の存在感は大きい。商品輸出を行う104産業のうち76産業が知財集約型産業に分類されており、航空宇宙産業、石油産業及び医薬品産業を中心として、これらの産業は米国の商品輸出額全体の81.5%を占めている。
ジョン・スクワイアーズ(John A. Squires)商務次官(知的財産担当)兼USPTO長官は、「知的財産権は米国経済の主要産業にとって不可欠な存在である。過去数年間にわたり知財集約型産業の存在感が一層高まっていることは、それらの産業が米国経済全体に果たす重要な役割と、そこで働く労働者にもたらす実質的な利益を明確に示している。私たちが創出するあらゆる知的財産は、新たな雇用、新規事業、競争優位性、さらには投資対象となる資産となる可能性を秘めている。今回の報告書は、米国のイノベーションが経済に大きな価値を生み出していることを裏付ける内容となっている」と述べている。
報告書は こちら
