2026-08-19

韓国での審判の口頭審理に海外の当事者もオンラインで参加可能に - Kim & Chang

韓国知識財産処は、従来の対面方式による口頭審理から脱却し、オフィスや自宅など場所を問わずインターネット接続で参加できる「インターネット映像口頭審理」を2026年7月から本格的に実施している。これにより、海外の当事者も、韓国に移動せずに遠隔で審判に直接出席できるようになった。

インターネット映像口頭審理の導入に関する主な内容は、以下の通りである。
海外当事者の利便性向上
 大田(テジョン)に位置する特許審判院(ソウルから高速鉄道で約1時間)や知識財産処のソウル事務所に直接出席せずに、海外に居住する当事者や代理人も、物理的移動や費用の負担なしに口頭審理に直接参加して意見を述べることができるようになった。

利用対象及び条件
 当事者がインターネットに接続する場所が物理的セキュリティに脆弱である可能性を考慮し、「公開」で行われる口頭審理に限り申請を可能とする。非公開審理については、従来通り、対面審理又はソウル事務所に出席して行う遠隔映像審理方式で運営される。なお、特別な事情がない限り、ほとんどの口頭審理は公開審理で行われている。

申請及び利用方法
 口頭審理の開催申請時に「インターネット口頭審理」を選択するか、口頭審理期日の指定通知後に変更申請書を提出して申請する。また、本口頭審理は政府の「オンナラ個人用コンピュータ映像会議システム」を活用し、参加者は個人のPCを通じてリモートで審判に接続できる。
※オンナラシステムは、韓国の中央行政機関や地方自治体の公務員が、文書の作成、検討、決裁、登録、共有など全ての業務プロセスを処理・管理する汎政府の電子決裁・業務管理システムである。

コメント
 今回のインターネット映像口頭審理の導入は、地理的制約により韓国での審判への出席が困難だった日本の権利者等に対して、出席に伴うコスト削減及び手続きの効率性の面で大きなメリットを提供するものといえる。
 特に重要度の高い知財紛争で当事者系審判(無効審判、権利範囲確認審判など)が発生した際には、日本本社の発明者や担当エンジニアが、韓国へ物理的に移動することなく直接ビデオにより口頭審理に出席することができる。これにより文書だけでは伝達が難しい高度な技術的争点を審判官に明確に説明しやすくなり、審判や訴訟における戦略的弁論手段として活用できると思われる。