2026-10-22

ミャンマー:パッケージデザインの保護に関する商標と意匠の比較 - Tilleke & Gibbins

パッケージデザインは、形状、色彩、図形、ラベルおよび全体的な外観を通じて、消費者が商品を識別し、他の商品と区別するのに役立つ、商業上価値のある資産である。したがって、これらの資産について法的保護を確保することは、重要な取り組みである。
ミャンマー市場に参入する企業、または同市場で事業を展開している企業は、パッケージデザインについて、商標による保護、意匠による保護、あるいはその両方を利用することが、強固な知的財産戦略となるかどうかを検討すべきである。ミャンマーでは、2019年に知的財産に関する主要な4つの法律が制定され、知的財産制度の近代化が進められた。これを受け、現在、商務省管轄下の知的財産局(Intellectual Property Department:IPD)が商標および意匠の登録を所管している。 

パッケージデザインに対する商標による保護
2019年商標法において、「標章」とは、ある事業者の商品または役務を他の事業者の商品または役務から識別することができる、視覚的に認識可能な標識で、文字、名称、アルファベット、数字、図形要素、色彩、およびこれらの組合せを含むものだ。したがって、商標による保護は、商品の出所を識別する機能を果たすパッケージデザインの特定の要素にも及び得る。
その表示態様および識別力に応じて、ブランド名、ロゴ、ラベル、形態、色彩の組合せ、ならびに三次元形状などのパッケージデザインの要素は、商標による保護の対象となり得る。しかし、IPDの現在の実務および利用可能な審査ガイドラインの下では、パッケージデザインおよびトレードドレス(商品全体の外観・装飾的な表示態様を含む)は、ミャンマーにおいて独立した登録対象として明示的に認められているわけではない。
2019年商標法の下では、パッケージデザインへの登録商標の無断使用を含む商標権侵害について、差止命令や損害賠償などの民事救済に加え、刑事罰が科される可能性がある。
三次元商標は、その形状または構成が使用を通じて識別力を獲得し、消費者が当該形状等を関連する商品と結び付けて認識するようになった場合、パッケージデザインの形状または構成を保護することができる。ただし、機能上または技術上の目的によって決定される形状は、登録の対象とならない。商標登録は、更新要件を遵守することを条件として、10年ごとの更新を繰り返すことにより、無期限に維持することができる。

パッケージデザインに対する意匠による保護
2019年意匠法は、線、輪郭、色彩、形状、質感、または製品もしくはその装飾に用いられる素材によって創作された、「工業製品または手工芸品の全部もしくは一部の外観」に保護を与えている。この保護は、製品の構成部品、パッケージデザイン、商品全体の外観・装飾的な表示態様、図形記号、および書体にも及ぶが、コンピュータ・プログラムは含まれない。パッケージデザインおよび商品全体の外観・装飾的な表示態様が明示的に保護対象に含まれているため、これらはミャンマーにおいて意匠として直接登録することができる。
パッケージデザインまたは商品全体の外観・装飾的な表示態様は、新規で、かつ独自に創作されたものであれば、出願要件を満たすことを条件として、保護を受けることができる。2019年意匠法は、登録意匠の侵害に対する民事救済を含め、権利行使のための仕組みも定めている。
ただし、技術的または機能的な考慮のみによって決定される意匠、あるいは「公序良俗、信仰、またはミャンマーの尊重すべき文化」に反する意匠は、登録することができない。
意匠権による保護期間は出願日から5年間であり、2回まで更新することができる。したがって、保護期間は最長15年間となり、その期間が終了すると、当該意匠はパブリック・ドメインに属することとなる。

最適な知的財産戦略の選択
商標による保護と意匠による保護は、それぞれ異なる目的を有しており、相互に補完することもできる。
商標による保護は、ブランド名、ロゴ、および使用を通じて識別力を獲得した三次元形状など、商業上の出所を示す機能を果たすパッケージデザインに適している。一方、意匠による保護は、消費者がパッケージデザインを特定の出所と結び付けて認識しているかどうかにかかわらず、パッケージデザインの視覚的な外観を保護するものである。
ミャンマーで商品を発売する企業にとって、商標による保護と意匠による保護を組み合わせることは、包括的な戦略となる可能性がある。意匠登録によって、商品の発売段階におけるパッケージデザインの視覚的な外観を保護する一方、商標による保護によって、時間の経過とともに消費者に認識されるようになる特徴的なブランド要素について、より長期的な保護を確保できる可能性がある。

本文は こちら (Protecting Packaging in Myanmar: Trademarks vs. Industrial Designs)